2016年5月25日水曜日

結局は使う人間次第… (その3)

そんなこんな紆余曲折を経て、初めて自身で購入したカメラがオリンパス「OM-1」



前出のOM-2の兄弟機なんですが、こちらはフルマニュアルのカメラ。
露出もピント合わせも(この当時は一眼レフのオートフォーカスはまだ市販されていませんでしたけれどね…)すべて手動!!
しかもシャッターもすべて機械式制御なので露出が凄くシビア。
OM-2は電子制御シャッターなのでダイアルは倍係数表示のシャッタースピードであるにも
関わらず、その中間の最適スピードで写してくれますが、OM-1ではそれが出来ないため、絞りで1/3とか1/2、2/3絞りを微妙に調整しなくてはならなくなりました。
ネガフィルム(白黒でもカラーでも)などではそこまで神経質にならなくてもフィルムの持つ冗長性(ラチチュード=露出許容範囲の幅)のおかげで大概問題なく撮れるのにリバーサルフィルム(スライド等に使うポジ画像のフィルム、発色再現性がネガフィルムよりイイ!!)では思った通りの写真が撮れない…
今のデジカメと違いその場で撮影の結果が判らない、一度使ったフィルムは再利用できない当時のカメラではこれは大問題。
改めてただシャッターを押すだけのカメラ小僧が一から写真の撮り方を勉強することにw
しかしその御蔭で写真の奥深さを改めて知り、今に続く趣味になり得たのだと思う。

このOM-1で基本的な写真の撮り方を憶え、いよいよ買った次なるカメラが同じくオリンパスの最新機種「OM-4」


オリンパスはOMシリーズをOM-1から始め、OM-2、、OM-1n、OM-2n、OM-10、OM-20、OM-30と出し続け、満を持して出したのがOM-4!!
あれ?OM-3は??
じつはOM-4の方が先に発売されました。
多分フルマニュアル、機械シャッター搭載のOM-3の方が開発が大変だったのだと思います。

OM-4は発売の半年以上前から情報を耳にしていて待ち焦がれていたカメラでした
その最大の魅力はマルチスポット測光と云う機能。
画面中央部の約2%の範囲だけを測光し、露出を決められるのですがそれだけではただのスポット測光であり、別段珍しくもないのだけれどマルチスポット測光は最大8箇所をスポット測光し、その値を加重平均して最適露出値を提示してくれるというものでした。

例えば上のOM-4の写真、どこを測れば最適な露出かというと、被写体が黒いのでとても難しく、下の写真のようにボディの一部を赤丸で示したように測光した場合、


カメラはただ暗いものを撮るのだと判断し、明るく撮ろうと露出を制御し、


この様な写真にしてしまいます。
反対に明るいところで速攻すると、(実際はもっと明るいところを選んだ場合、この写真だったらちょっと大げさな表現になってしまいます…(^_^;))


カメラは明るいものを撮るのだと判断し、暗く撮ろうとして、


この様な暗部がツブレタ写真になってしまいます。
マルチスポット測光では、必要な露出情報を撮影者の意思で選び、それを元にカメラを忠実に従わせると云う写真を撮る面白さが堪能できる機能です。


この当時のオリンパスのカメラは一人の天才的なそして写真を撮ることが大好きな技術者によってとても素晴らしいものでした。

うちの父親もこの様なオリンパスの企業精神が気に入り、オリンパスのカメラを買い続け、小生もそれを引き継いできたのです。






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